組織が崩壊するプロセスとは | 危険な兆候・事例も紹介

崩壊イメージ

組織崩壊のプロセス

組織は急には崩壊しません。それ相応のプロセスを踏んで崩壊していきます。ではどのように崩壊していくのでしょうか。その流れを解説します。

危険人物の出現

まず何かしらの要因によって企業に負の影響を与える人物が登場します。採用の失敗かもしれませんし、間違った昇格かもしれません。ワンマン社長の暴走も考えられます。

いずれにせよ企業を悪い方向に引っ張ろうとする人物が表れます。パレートの法則(8割の影響は2割の人物によるものという法則。)にもあるように負の影響を与える人はごく一部です。しかし彼らの存在が徐々に企業を蝕んでいきます。

空気を読む文化

企業に悪影響を及ぼす人がいても大多数はいい影響を与える人ばかりです。ではなぜ危険人物を止められないのでしょうか。

それは空気を読み合うからです。たとえ危ない人がいてもその人には直接伝えず、横の同僚とひそひそ話をしていませんか。このように頭では悪い傾向にあるとは思っていても止める人が現れないのはよくあることです。

優秀な人の辞職

会社全体が悪い雰囲気になったとき最初に辞めるのは優秀な人です。優秀な人ほど悪い状況を察するのも早いですし、転職などの行動に映るまでも躊躇がありません。

こうして悪影響を及ぼす人は増加するのに、いい影響をもたらしてくれる優秀な人は減っていきます。結果的に良い雰囲気より悪い雰囲気が企業を覆っていきます。

回らない仕事

優秀な人が辞職してしまうので現場に残っている人の仕事量が増大します。さらには仕事が回らなくなります。

危険人物のせいでただでさえ効率が悪くなっているのに仕事量が増大しているのですから、残業しないと仕事が終わらなくなります。

不信感の蔓延

今まで紹介してきたプロセスをたどると、悪くなかった人ですら悪影響を及ぼすようになります。それにより派閥が生まれたり悪口が頻発したりします。経営者に能力がないと勘ぐる人も出てきます。

その後に再び優秀な人がやめていきます。あとはこれらを繰り返すだけです。最終的に優秀な人がいなくなった時点で倒産でなくても、実質的に崩壊した企業へ形を変えていることでしょう。

組織崩壊の兆候

組織が崩壊しつつあるとき、企業内では次のような傾向が見られます。一概には言えませんが代表的なものはこのとおりです。

  • ハラスメント続出
  • 過度な残業
  • マニュアル依存
  • イエスマン

どれもよく議論される問題ではありますが、これらが複合的に発生している企業は崩壊に向かっているといえるでしょう。仮に崩壊していないとしても、よい循環が阻害されている点では崩壊しているも同然です。それぞれの傾向を順番にみていきましょう。

ハラスメント続出

セクシャルハラスメントやパワーハラスメントを含むハラスメントが頻繁に行われている企業は危ないです。ハラスメントは和訳すると「嫌がらせ」にあたります。原因はなんにせよ他人の足を引っ張る行為に違いありません。

ハラスメントする側の意見として「笑っているから嫌がっていないと思った。」「拒否されていないので問題ないと思った。」という声も聞かれますが、つまるところこれらは言い訳です。ハラスメントと認定するか難しい場合はあるとは思いますが、頻発している企業がいい傾向にあるとは言えないはずです。

過度な残業

深夜になっても会社の明かりがついたままの企業や、時間内に終わらないと仕事を家に持ち帰らせる企業は実質的な崩壊が近いと考えられます。もちろん残業が多くても崩壊には至らないかもしれません。しかし精神衛生面を考えると崩壊しているも同然です。

人間は十分な休暇や睡眠が確保できないと集中力を保てません。長い時間働きさえすればいいという根性論で残業させる企業は非効率だと考えられます。業界によっては改善が難しいという声も聞こえそうですが、その業界は仕組み自体が崩壊寸前かもしれません。

マニュアル頼り

マニュアルありきで社員が動いている企業は危険です。誰かに言われたことしかできない、または誰かに言われたことを守らないといけない企業のことをさしています。

マニュアルは決して悪いものではありません。教育にかかる時間を減らし他業務に回す時間を確保できます。しかしマニュアルに執着している企業は危ない傾向にあります。簡単にいえば融通の効かない企業なので、新しい考え方の受け入れに時間がかかるでしょう。

イエスマン増大

イエスマンは一見して問題なさそうですが、長期的にみると崩壊の可能性を作る人にあたります。これはさきほどのマニュアルに通ずる部分があります。悪いと思ったものであっても上司の発言に関しては「はい」としか言えないので、改善が滞っていきます

イエスマン増大は傍観者効果が要因の一つにあげられます。傍観者効果とはある問題が発生したときに自分に火の粉が降りかからないよう見て見ぬ振りをする傾向です。上司の提案に対しての批判は失敗すれば評価を落とされてしまいます。これを避けた結果イエスマンは増大していくのです。

組織崩壊の事例

組織が複雑化した際の問題を紹介しました。では実際どのような事件に発展するのでしょうか。二つの事例をみていきましょう。

東芝不正会計

日本有数の大企業「東芝」。その社内に不正があったことはご存知の方も多いでしょう。

2012年9月にあった月例会議での佐々木則夫社長(当時)の発言だ。パソコン事業の見通しに、残り3日で120億円の営業利益の改善を求め、翌日に報告を出すよう指示をした。証券取引等監視委員会の検査を受け、東芝が立ち上げた第三者委員会の報告書では、こうした厳しいチャレンジ達成要求の具体例が挙げられている。現場は水増しした利益を示すしかなかった。
https://dot.asahi.com/aera/2017041300033.html?page=1

上司が利益を上げろといったが確保できなかったために、データを改ざんしたという報道です。東芝の社員あるいは関係者でないと正確なことはわかりませんが、長きにわたって不正が黙認されていたのは事実でしょう。

要約すると何が何でも利益を確保したかった上層部の圧力に耐えきれず、虚偽の記載をしてしまったということです。嘘の記述がまかり通る現場も問題ですが、むしろそれほどまでに利益をせがむ上層部が問題です。

組織が複雑化すると経営層と現場では感覚がズレていきます。仮にズレないとしても他人という意識は強くなり、つい強気に物事をいいがちです。肥大化した企業は危険な要素を抱えているといえるでしょう。

私立高校の教頭自殺

メディアで度々報道される教師の過労問題。次の事例もそのうちの一つです。

 遺族側代理人の松丸正弁護士(大阪弁護士会)によると、男性は2015年度に教頭に就任。昨年3月29日未明、校内で自殺した。遺族側は、男女共学校への移行に伴う事務作業の増大などで時間外労働が月200時間超に達したり、上司から執拗(しつよう)な叱責(しっせき)を受けたりして適応障害を発症したのが死の原因と主張。
https://www.asahi.com/articles/ASM214CXRM21UBQU00B.html

他教師も残業しているから自分だけ残業を減らすことはできないという意識や、他教師が擁護すると次は自分が標的になるという思考のために未然に予防できなかったのでしょう。

教育の現場は仕事量に対して人員が圧倒的に足りていません。それでも今いる職員だけでまかなおうとするので事例のような問題が起こります。公務員ゆえに変化を起こしにくいのも原因の一つでしょう。

度重なる残業やハラスメント、断れない仕事など一筋縄ではいかない問題ばかりが散見されます。民間の企業ではないとはいえ、反面教師にできる部分は多くあります。

早めの対策が必須

組織が崩壊するプロセスについて解説しました。崩壊は瞬間的に起こるものではありません。なにかをきっかけに徐々に進行していく病のようなものです。

早めに対策をすればある程度は防げます。1on1ミーティングをはじめ意見交換の機会を設けるように努めましょう。事態を把握し早めに対策を打てれば大事にはいたらずに済むはずです。

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会場・日時・講師

会場
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住 所〒231-0063 横浜市中区花咲町2-82貞華ビル
最寄り駅:JR・市営地下鉄「桜木町」徒歩7分
日時
・08月29日(木)13:00~17:00
・09月26日(木)13:00~17:00
・10月24日(木)13:00~17:00
・11月21日(木)13:00~17:00

講師
新谷 永海香
株式会社シーグリーン 人事コンサルタント兼研修講師 経営情報学修士(MBA)
国内大手半導体メーカに入社。海外拡販プロジェクトメンバーとして、東南アジア、南米、など10数国の現地アプリケーション開発を行う、LSI設計エンジニア。帰国後は、新規市場への参入とサプライチェーン構築のため上京。携帯電話、RF-ID、ETCなど無線市場への新規参入を果たした功績として、3年連続社長賞「金賞」受賞。以降、外資系半導体商社にて、技術動向をベースとした「テクノロジーマーケティング」による製品企画・新市場参入に成功。日本法人発の社長賞「新規開拓賞」を受賞し、マーケティングスペシャリストへの転身を果たす。「女性のキャリア転職特集」による、テレビ出演、雑誌などのメディア掲載による反響後、ミッション型契約にて、創業期のベンチャー企業で戦略採用と組織設計を行う。結果、2年半で社員数5.7倍、売上高12.5倍を達成。今年度からは、株式会社シーグリーンにて人事コンサルタントに従事。自身でモチベーションが維持できる「自律型人材」の育成を目指し奮闘中。