1on1ミーティングは、どんなテーマで話せばよい? 具体例9つを紹介

「部下と1on1ミーティングを実施したいけれど、何を話したらよいのか戸惑ってしまう…」
「部下にプライベートなことを聞いても問題ないのだろうか?」

上司と部下の信頼関係を高め、部下の成長をサポートする1on1ミーティング。取り組んでみたいけれど、何を話せばよいのかよくわからない、という方も少なくないのではないでしょうか。

そもそも1on1ミーティングは部下から上司に話したいことについて相談するものです。そのためテーマは部下が自分で考え、決めるものでありますが、部下が相談下手であったり、わざわざ話さなくてもよい話題ばかり取り上げたりするような場合には、どうしても上司側から介入しなければならない場合もあるでしょう。

そこで今回は、上司が1on1ミーティングのテーマを選ぶ際に便利な、テーマの具体例やテーマの選び方についてご紹介します。

具体的なテーマの例


4つのテーマ例について紹介します。

  • 雑談のテーマ「木戸にたてかけし衣食住」
  • 業務や組織に関連するテーマ
  • キャリアに関連するテーマ
  • プライベートに関連するテーマ

雑談のテーマ「木戸にたてかけし衣食住」


1on1ミーティングでは、いきなり本題に入るのではなく、時折雑談も交えながら行うことをおすすめします。部下にリラックスしてもらうことで、正直で率直な対話ができるようにするためです。

雑談を行う上で便利なのが、「木戸にたてかけし衣食住」という言葉です。これは主な雑談の話題の頭文字を連ねたもの。つまり、次のような話題です。

  • 木(き):季節や気候 (例:「最近涼しくなったね」)
  • 戸(ど):道楽(趣味) (例:「趣味の○○は最近やっている?」)
  • に:ニュース(例:「最近○○というニュースがあったけれど、大変だよね」)
  • た:旅(例:「○○へ行きたいなあと思うんだけど、君はどこか行きたいところはある?」)
  • て:天気(例:「今日はよい天気だね」)
  • か:家族(例:「息子さんは元気?」)
  • け:健康(例:「最近健康のためジョギングを始めてね……」)
  • し:仕事(例:「最近仕事の調子はどう?」)
  • 衣:ファッション、服(例:今日の○○はとっても似合っているね)
  • 食:食べ物(例:「最近食べた○○が美味しかった」)
  • 住:住まい(例:「君はどのへんに住んでいるんだっけ?」)

雑談のネタはバリエーション多く持っておくとなにかと便利です。参考にしてみてくださいね。

業務や組織に関連するテーマ


1on1ミーティングで最も話されるテーマは、やはり業務に関連する話題です。導入に問題がなければ、早期にその有効性を実感できるでしょう。

例① 「緊急性は低いが、解決できたらいいと思っていること」

部下は上司に話しかける際、どうしても緊張したり遠慮したりするものです。そのため本来は上司に相談すべきことも、「上司の時間を奪って手を煩わすよりは、自分で解決してしまおう」「急ぎではないし、いま聞くべきではない」と考え、抱え込んでしまう傾向が強くあります。

これは特に若い社員にありがちです。ですが上司に早く相談しなければ、スムーズに仕事が進められないばかりか、抱え込むことで炎上してしまうようなトラブルにもつながりかねません。

「どんな小さなことでもいいから、気になっていることを教えてほしい」と、部下の心理的なハードルを下げながら話を振ってみましょう。もちろん上司はどんな相談でも怒ってはいけません。むしろ「よく相談してくれた」と褒めるようにしてください。

例② いま手掛けている仕事にまつわる、よもやま話

せっかくの1on1ミーティングで業務にまつわる話題を扱うのですから、二人きりだからこそ話せる空気感と内容にしたいものです。

そのためには、いきなり業務にダイレクトに繋がる話題を振るよりも、その周辺のよもやま話から話し始めるのがよいでしょう。

特に真面目な部下ほど、上司とは仕事以外の話題をしづらいと感じてしまいがちです。ですが、取引先に関するちょっとした情報や、業務に直接関係はないけれども仕事中に仕入れた情報などは上司に話しやすい話題となります。

例③ 会社・組織に対しての希望や展望

愚痴になることを恐れ、目の前の業務について話したがらないタイプの部下も中にはいるでしょう。

しかし、自分の会社全体に対する希望は、社員の誰にとっても躊躇なく話ができるテーマです。

会社全体についての希望を話してもらうことで、部下が目先のことだけでなく将来の展開に目を向けることができます。定期的に話すテーマとして設定してもよいでしょう。

例④ モチベーションを喚起するような話題

部下のモチベーション喚起に時間を使うことも良いでしょう。

上司から見た部下の前向きな姿勢や、仕事の成果に対する部下の評判など、部下のやる気を引き立てる話題を振ってください。

ただし、求められていないのに「指導」を行うことは厳禁です。同意なく「もっとこうした方が良い」などと言われることは、多くの場合モチベーションの向上にはつながりません。

また、上司の側には指導をしている意識がなくても、部下が指導だと受け取ることもあります。部下側からの話を聴くという「傾聴」のスタンスを崩さないこと、アドバイスや指導を行う際には必ず部下から求められた上で行うことを心がけてください。

キャリアに関連するテーマ


キャリアに関連する話題は部下本人も関心が高いものです。もちろん、あくまでもポジティブな姿勢で会話を進めることが前提となります。

例⑤ 自己評価と目標設定

部下本人がどう自己評価しているかを知ることで、部下に寄り添うコメントをしやすくなるでしょう。

また、自己評価と合わせて目標を聞くことで、話題も前向きになるはずです。さらに、部下の長所を活かしたキャリアアップの展開などに話を広げていくこともできます。

例⑥ 会社内の方針と戦略を共有する

会社の方針と戦略について、上司の立場だから話せる内容を伝達するのもいいでしょう。そうすることで、部下自身が自分の力をどう活かしてキャリアップし、会社に貢献していくかを考えることができます。

そしてその結果、部下が会社を他人事と思わず、共に成長していく存在であると感じることができれば、会社にとって部下はますます貴重な存在となるでしょう。

例⑦ いつかチャレンジしたいこと

仕事でも仕事以外のことでも、これから挑戦したいと思っていることは部下にとって話しやすい話題となるでしょう。

そこから、部下が何に重きを置いているのか、何をやりがいと感じているのかなど、部下の思考回路を知ることができ、次の話題のテーマが見つかることもあります。また、今後どのような業務に興味があるのかを知ることもできるでしょう。

プライベートに関連するテーマ


プライベートの話題を部下とどう話せばよいのかわからない方もいると思います。ですが、人間どうしてもプライベートに不調があると、仕事にも影響してしまうもの。そのためハラスメントにならないように注意する必要はありますが、部下のプライベートについても知っておくとよいことはあります。

例⑧ 家族や交友関係

身近な人との関係がうまくいっていない場合、仕事にも影響があるかもしれません。部下が自然と話してくれるようであれば、家族や交友関係についても話題にしてよい場合があります。

この場合、「話題を変えたければ変えてくれていいし、続けたければ続けていこう」という柔軟な姿勢が上司側には必要です。

例⑨ 「週末にしたこと」

部下が嫌がらないようであれば、趣味や週末の過ごし方などの話題を振ってもいいでしょう。週末の過ごし方は部下の精神状態をチェックするための一つの切り口だからです。

週末にちゃんとリフレッシュできているようであればよいですが、精神状態がよくない場合、週末は何もせずに寝ていたり、月曜からの勤務が憂鬱になってしまっていたりする可能性もあります。

仕事を抱え込み過ぎている場合は、週末にも仕事に追われている可能性があります。どのような過ごし方をしているか、プライベートに踏み込み過ぎないように配慮つつも、時々探ってみるとよいでしょう。

テーマ選定時の考え方


ここまでは、1on1ミーティングのテーマ例9つを紹介しました。

さてここからは、1on1ミーティングのテーマを上司側が選定する上での着眼点について解説します。

テーマ選びは部下が起点

1on1ミーティングの大きな目的は部下の成長をサポートすることです。そのためにはまず、部下に寄り添うことが重要になります。では、部下に寄り添うとはどういうことでしょうか。

部下の立場に立って考えること。部下と自分との共通点や差異点を理解すること。これらが1on1ミーティングの起点であり、立ち返るべき場所になります。この起点を忘れずテーマを選べば、1on1ミーティングは必ず実りあるものになるでしょう。

効率重視でテーマを考えない

ビジネスの現場に浸っていると、意識せずとも「1on1ミーティングでも効率良く成果を上げたい」と思ってしまいがちです。

しかし、1on1ミーティングでは効率を意識しないほうがうまくいきます。ゴールへのプロセスがはっきりしているような一般の業務とは異なり、1on1ミーティングには明確な段取りが存在しないのです。段取りや効率だけでは上手くいかないのが人間関係だからです。

話すべきテーマが思いつかない

上司であるあなたと話したいことがないか、部下に直接聞いてみるのもよいでしょう。

ですが、部下は話すことが思いつかないかもしれません。しかしそれは、話したいことがないのではなく、話したいことをまとめられていない可能性もあります。

そのような場合は、上司のあなたが部下の考えていることを想像し、それに近い話題を振ってみてください。そうすることで、実はあなたに聞いてほしかったことを部下がスムーズに話せるようになるかもしれません。

すでに話したいテーマは語り尽くしてしまった

上司であるあなたは「すでに何回か1on1ミーティングを実施しており、部下に聞きたいことは全て聞いてしまった」と考えている方もいるかもしれません。

実は、1on1ミーティングの話題は以前と同じテーマでも構わないのです。既出のテーマであっても、お互いに時間が経てば考えが変わることもありますし、違う角度から話したくなることもあるでしょう。同じテーマだからこそ話をより深められる、ということもあります。ですから、毎回違うテーマでなくてもいいのです。

テーマ選びよりも部下が話したいことを話せていることが重要


この記事では、1on1ミーティングのテーマを上司が選ぶ上でのポイントについて解説しました。

1on1ミーティングのテーマ選び、というとどうしても難しく考えてしまいがちですが、1on1ミーティングの本来の目的は部下の成長をサポートすることです。

従って、話題が事前に想定した通りのものにならなくても気にしないでください。あくまでも、部下の成長のサポート、という目的を基点にしていれば、テーマは極論どこに飛んでもかまわないのです。