スキルマップのテンプレートはどこで手に入る? 無料で使える雛形サンプルを紹介

「スキルマップを作成するのに良いテンプレートは無いだろうか?」
「ゼロからスキルマップを作るのは大変……。雛形が欲しい!」

社員のスキルを一覧で見える化し、人材育成や案件獲得につなげる「スキルマップ」。このスキルマップを作る上では、自分の組織にあったスキル項目や評価基準を整備する必要がありますが、まったくのゼロベースから考えるのは大変ですよね。

そこでこの記事では、スキルマップをこれから作る方向けに役立つ、スキルマップのテンプレートを紹介します!

エクセル形式でサンプルをダウンロードする方法や、加工する方法についても丁寧に解説しています。これを読めばすぐにスキルマップの作成に着手できますよ!

スキルマップテンプレートの基本形はこれ

スキルマップの基本形は、シンプルに表現すると次のような形になります。

No 分類 スキル スキルの説明 Aさん Bさん Cさん
1 分類A スキルA スキルAの説明
2 スキルB スキルBの説明
3 スキルC スキルCの説明
4 分類B スキルD スキルDの説明
5 スキルE スキルEの説明
6 スキルF スキルFの説明

縦軸にはスキル分類とスキル、及びその説明が並び、横軸には社員一人ひとりの名前が並びます。各スキルの行と社員名の列が交差するセルに、スキルの評価(数値)を入力していきます。

以上を基本形として、各社の運用にあわせてスキルの分類や項目を作成していきます。なお、1つのスキルマップを全社員共通で使うよりも、社員を等級・レベルや業種・職種ごとに分け、分類ごとにマップを作成し評価していくことが一般的です。

スキルマップのテンプレートには厚生労働省提供の「職業能力評価シート」が便利


スキルマップの整備で一番苦労するのは、スキル項目の洗い出しと精査です。自社の運用にあわせたスキル項目を考え、リストアップし、誰が見ても納得感があるように文言や評価基準を調整する……。このようなスキルマップの整備作業は、簡単なことではありません。

そのため、もしもゼロからスキル項目を洗い出すのではなく、テンプレートや雛形があったら便利だと思いませんか? 実は、多くの業種・職種に対応したスキル項目一覧のテンプレートがあるんです。

そのテンプレートとは、「職業能力評価シート」。キャリア開発や人材育成の指標となるよう厚生労働省が整備・公表している、チェック形式の評価シートです。事務職はもちろん、外食産業、介護業、電気通信工事業やホテル・旅館業など、多様な業種・職種に対応しています。

あくまで雛形ですので、場合によっては自社組織にあわせて項目を追加したり削除したり、文言を修正したりとカスタマイズする必要がありますが、ゼロベースでスキル項目を洗い出すよりも、効率的にスキル項目を整備できます。

厚生労働省の「職業能力評価シート」の見方

まずは、次のホームページを開いてください。
キャリアマップ、職業能力評価シート及び導入・活用マニュアルのダウンロード/厚生労働省

「キャリアマップ、職業能力評価シート、導入・活用マニュアルのダウンロード」の表にある、「事務系職種」の「職業能力評価シート>一覧へ」のリンクをクリックしてみましょう。

【出典】キャリアマップ、職業能力評価シート及び導入・活用マニュアルのダウンロード/厚生労働省

職種・職務と、そのレベルごとに職業能力評価シートがダウンロードできます。

【出典】職業能力評価シート(事務系職種)のダウンロード/厚生労働省

この4段階のレベルに関しては、「キャリアマップ、職業能力評価シート及び導入・活用マニュアルのダウンロード/厚生労働省」のページにある「キャリアマップ」にて基準が定義されています。「ダウンロード」をクリックしてみましょう。

【出典】キャリアマップ、職業能力評価シート及び導入・活用マニュアルのダウンロード/厚生労働省

PDFがダウンロードされます。そのPDFを開くと、事務系職種においては、概ね5年単位で経験を積むことで、レベル1「エントリー・スタッフ」、レベル2「シニア・スタッフ」・・・とレベルアップしていくことがわかります。

レベル3においてはリーダーシップを発揮し部下をマネジメントする「マネジャー」と、専門家として業務にあたる「スペシャリスト」にルートが分かれ、レベル4「シニア・マネジャー/シニア・スペシャリスト」へと成長していくような想定がされています。

【出典】キャリアマップ/厚生労働省

厚生労働省の「職業能力評価シート」をスキルマップとして活用する方法とは

引き続き事務系職種を例として、「職業能力評価シート」からスキルマップを作る方法について解説していきます。

次のページを開いてください。
職業能力評価シート(事務系職種)のダウンロード/厚生労働省

例として「経営戦略・レベル1」の職業能力評価シートをダウンロードしてみましょう。

【出典】職業能力評価シート(事務系職種)のダウンロード/厚生労働省

ダウンロードしたエクセルを開くと、「表紙」「職業能力評価シート」「必要な知識」「基準一覧」「OJTコミュニケーションシート」の5つのシートがあることがわかります。このうちスキルマップのテンプレートとして主に使うのは「職業能力評価シート」及び「必要な知識」です。

【出典】https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000093991_00001.html

「職業能力評価シート」では能力に関するスキル項目が並んでいます。

【出典】https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000093991_00001.html

また「必要な知識」シートでは、知識に関する項目が並んでいます。

【出典】https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000093991_00001.html

これらをコピーした上で、自組織の運用に不要な項目を削除したり、無い項目に関して付け加えたりしながら、スキルマップを整備していくと効率的です。

「職業能力評価シート」が対応している業種とは

次の表の業種、職種、職務に幅広く対応しています。

業種 職種 職務
事務系職種 経営戦略 経営戦略
人事・人材開発・労務管理 人事・人材開発
労務管理
企業法務・総務・広報 企業法務
総務
広報
経理・資金財務・経営管理分析 経理
資金財務(トレジャリー)
経営管理分析(FP&A)
情報システム 情報システム
営業・マーケティング・広告 営業
マーケティング
広告
生産管理 生産管理プランニング
生産管理オペレーション
ロジスティクス ロジスティクス管理
ロジスティクス・オペレーション
国際事業 国際経営管理
貿易
エステティック業 店舗マネジメント 店舗マネジメント
フロント フロント
エステティックサービス カウンセリング/コンサルテーション
トリートメント
警備業 警備業務 施設警備
機械警備
交通誘導警備
雑踏警備
貴重品運搬警備
企画・営業 警備企画
営業
警備員教育 警備員教育
葬祭業 施行業務 施行業務
企画・営業 企画
営業
生花 生花
ディスプレイ業 プロジェクト統括・管理 プロジェクト統括
プロジェクト管理
調査・企画管理 調査・企画管理
意匠・設計管理 意匠・設計管理
製作・施工管理 製作・施工管理
運営管理 運営管理
外食産業 店舗管理 店舗従業員教育
店舗運営 オペレーション管理
キッチン
フロアサービス
フィットネス産業 店舗管理 店舗管理
運営事務
フロント
インストラクション トレーニングジム
スタジオ
プール
卸売業 卸売業 メーカー・サービス
リテール・サービス
ロジスティック
在宅介護業 介護サービス事業管理(事業所) 介護サービス事業管理(事業所)
訪問介護サービス 訪問介護サービス
通所介護サービス 通所介護サービス
訪問入浴サービス 訪問入浴サービス
スーパーマーケット業 販売 販売
販売・加工
チェッカー
ストアマネジメント
店舗運営 店舗運営
商品開発・仕入れ 商品開発・仕入れ
営業企画 営業企画
電気通信工事業 施工管理 施工管理
施行技能 現場管理
施行技
ホテル業 宿泊 ロビーサービス
コンシェルジェ
フロントオフィス
客室予約
ハウスキーピング
ビルメンテナンス業 清掃管理 日常清掃
定期清掃
特別清掃
建物用途別清掃
現場監督
設備管理 電気設備
機械設備
現場監督
保安管理 施設警備
防災・消防用設備点検
現場監督
業務管理 業務管理
アパレル業 アパレル企画 マーチャンダイジング
アパレル製造 検反・裁断
縫製
製造管理
アパレル販売 販売
店舗運営
ねじ製造業 ねじ製作 圧縮・フォーマー
転造・タッピング
切削二次加工
旅館業 接客サービス フロント
客室
宴会・食堂
販売
調理 調理
営業・マーケティング 営業・マーケティング
予約管理
ウエブ・コンテンツ制作業 企画 営業
管理系 プランナー(コンテンツ企画)
ディレクター・ウェブマスター(制作監督・業務管理・プロジェクトマネージャ)
運営系 サイト運営(ウェブマスター)
制作系 ウェブデザイン・コンテンツ制作
エンジニア(アプリ開発)
エンジニア(サーバーサイド)

【出典】「キャリアマップ、職業能力評価シート及び導入・活用マニュアルのダウンロード/厚生労働省」より作表

エンジニア向けのテンプレートはITスキル標準(ITSS)


ITスキル標準(ITSS:IT Skill Standard)とは、ITコンサルタントやエンジニアなど、ITに関わる仕事をする人を対象としたスキル指標リストのことです。経済産業省が策定・公表しており、人材の採用や育成、案件へのアサインなどに活用されます。

【参考】ITスキル標準とは?:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

スキル一覧については、以下ホームページよりダウンロードできます。

ITスキル標準V3ダウンロード:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ITスキル標準では、レベル1,2は全職種共通のスキルが「「レベル1,2共通」として定義されています。新人にはまずこれらのレベルを満たすよう促すと良いでしょう。

レベル3以上は「コンサルタント」「プロジェクトマネジメント」といった職種ごとに定められている「専門分野固有スキル項目」と、全職種に共通する「職種共通スキル項目」が定義されています。自社の運用にあわせて、参考にするスキルやレベルを選んでみてくださいね。

ISO9001・ISO14001を取る製造業・建設業の「力量表」のテンプレートは


「ISO9001」とは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)の定める「品質マネジメントシステム」に関する国際規格のことです。また、「ISO14001」は「環境マネジメントシステム」に関する国際規格を意味します。

これらISO9001、ISO14001を取るための要求事項には、「社員の力量管理を行うこと」が定められています。そして、この力量の評価及び管理を行う方法として、「スキルマップ(力量表)」が広く利用されているのです。

なお、力量の評価項目やテンプレートについては、ISOにより定められているわけではなく、自作が基本となっています。先ほど紹介した厚生労働省の「職業能力評価シート」等も参考に、皆様の会社にあったスキルマップを作成してみてくださいね。

その他ダウンロードできるテンプレート


たとえばサイト「日本の人事部」では、スキルマップのサンプルとして、人事部向けのスキルマップを公開しています。テンプレートとしてはシンプルなものとなっていますが、最初はあまり複雑なフォーマットにせず、シンプルで書きやすいスキルマップの方が運用しやすいかもしれません。

人材育成のスキルマップ――Excel形式のものをダウンロード可能│無料ダウンロード『日本の人事部』

スキルマップのテンプレートを参考にしながらカスタマイズしよう


今回は、スキルマップの作成に役立つテンプレートを紹介しました。

今回紹介したのはあくまでサンプルですので、どの場合においても基本的に自社の運用にあわせてカスタマイズする必要があります。

ぜひ色々な雛形を参考にしながら、皆様の組織にマッチするスキルマップを作成してみてくださいね。