人事評価はシステムより運用!シンプルな仕組みを現場で調整

本当に運用できていますか?

人事を担当していて次のような問題が起きたことはありませんか。

「最新の評価手法を導入したのに浸透しない。」
「話題の評価システムを取り入れても活用されていない。」

このような経験があなたにもあると思います。

高いコストを支払ってシステムやサービスを導入しても、成果につながらないばかりか現場を混乱させてしまった。そのうえ何が原因で失敗しているのかがわからない。これらの要因の一つに「運用できていない」ことが考えられます。

システムそのものが優秀であっても使いこなせていないがために、良い結果につなげられていないケースです。運用ができていない状態ではどのようなシステムを導入しても状況は改善されません。

本記事ではなぜ運用できることが重要なのか、なぜシステムを導入するだけではうまくいかないのかを解説します。事例も紹介するので、自社のケースに当てはめながら考えてみましょう。

システムより運用

人事評価に限りませんがシステムを過信するのは危険です。システムと運用をセットにして考えましょう。運用できていないシステムは運用するシステムがないのと同じぐらい問題です。

運用が難しい

「あなたの会社ではどのような評価システムを導入していますか。」と聞かれれば簡単に答えられるでしょう。なぜなら評価システムの導入は、どこからか仕組みを取り寄せれば済む話だからです。

では「あなたの会社ではシステムをどのように運用していますか。」という質問には答えられますか。Excelでまとめているといったありきたりな回答やそもそも答えられない状況であれば、システムを運用できていない可能性があります。

システムを導入できていても運用にまで手が回っていない会社は少なくありません。システムは他人によってわかりやすくまとめられていますが、運用は各企業のやりかたを模索する必要があります。運用方法の検討は時間・手間がかかるため形にできていない企業もあるでしょう。

運用に意味がある

システムは運用されて初めて意味を持ちます。システムと運用の関係は、家と居住を例に取るとわかりやすいです。

高い値段をかければ立派な家が立ちます。有名な建築家に依頼すればデザインの優れた家が設計されます。ただし家の値段と住むことは別の問題です。

高価な家を建てたとしても誰も住まなければ宝の持ち腐れです。また住んで住み心地が悪いのであれば、せっかくお金をかけて建てていたとしても幸せにはなりません。

システムと運用の関係もこれに等しいです。便利なシステムを導入したとしてもそれを使いこなせていなければ導入できていないも同然です。むしろ使い古されたシステムであっても運用できるのであれば問題ありません。

システムを単純化

ではシステムを使いこなすにはどうすればよいのでしょうか。使いこなす方法の一つにシステムを最小限まで減らすことがあげられます。数少ないシステムをフルに利用することで、それらを着実に運用する策です。

問題の構造は日本の法律制度に近いと言えるでしょう。つまるところ法律の数が多すぎてそれぞれを把握できず混乱しているのと似た事態に陥っています。

会社を良くするために多くのシステムを導入したい気持ちはわかりますが、現場のことを考えると必ず必要なシステムだけを導入したほうが確実に運用されるでしょう。

少数システムと愚直な運用

選択と集中の観点で考えてみましょう。今までは利用するシステムが多く分散されていたリソースを、少数のシステムに集中できます。つまりより深い程度でシステムを利用できるようになります。

システムが多いと運用は表面的になります。反対にシステムが少ないと運用に注力できるのでシステムの性能を最大限に活かせます。

この記事を読んで「弊社のシステムは複雑すぎるのではないか。」と思ったあなたは現場の声に耳を傾けてください。人事に言われたからやっているという様子が垣間見えるのであれば、システム過多になっている証拠です。極力シンプルなシステムになるよう整備しましょう。

運用を大事にした事例

運用が重要なことは解説しましたが具体的にどのように運用すればよいのでしょうか。3つの事例を見ながら運用のヒントを学びましょう。

運用でポイントとなるのが自社特有の問題を解決できるか否かです。他社にとっては無駄の多い運用方法でも自社にとっては最高の運用方法かもしれません。現場と向き合って逐一検討しましょう。

マニュアル外の個別対応

システムは体系的にまとめられているので誰にでも同じように対処できる反面、決まりきった対応しかできないのが難点です。

現場ではときにはシステムに沿わない柔軟な対応が迫られるときもあります。顕在的に必要とされていなくても潜在的に必要かどうかを見極め、特殊な運用をすべきこともあります。

人事が相手にすべきは人です。人と対話する以上、システムに当てはめられない状況は多分に起こりえます。そんな難しい状況においても適切な対応がとれているのであれば運用はできているといえるでしょう。

運用することはマニュアルどおりにシステムを利用することとイコールではありません。

「最後まで相手を信じ模索した、リーダーとスタッフが“共に育つ”指導」
https://award.atwill.work/stories2018/462/https://www.pr-table.com/umeoka/stories/9655

運用は現場との対話から

システムの運用は人事担当者の視点だけで行っていては成り立ちません。人事ないし上司が現場と対話していく中で運用がなされていきます。

自分のキャリア開発について相談できる人や場所が少ないとも感じていました。今回人事制度の見直しを図ったのも、そういった私の経験から来ている部分があります。

現場の社員はなかなか意見を口にしないものです。こちらから相談を聞き入れることで話しやすい雰囲気を作れるとよいでしょう。

さきほどまではシステムをシンプルにすべきだと伝えましたが必ずしもそうとは限りません。つまり複雑でも問題ありません。ただしこれはシステムが運用できるときの話です。

ビジョンやミッションのほかに、「大切にしたい価値観」として5つ決めています。(中略)これらは決してトップダウンではなく、社員全員の声をもとにしています。

事例のように社員自身が決めそれに基づいた運用ができるのであれば、複雑なシステムでも問題ありません。運用できるかどうかが問題なので「自社のシステムは他社と比較して複雑かどうか」ではなく「自社のシステムは運用するにあたって複雑かどうか」を考えましょう。

「一人ひとりが自分のビジョンを実現できる会社に――フルスピードの人材開発哲学」
https://www.talent-book.jp/fullspeed/stories/14214https://www.pr-table.com/fullspeed/stories/14214

システムに反映されない思い

システムそれ自体は感情を持ちえません。システムを介して人間がコミュニケーションを取るからこそ、感情のこもったやりとりが生まれるというのがこちらの事例。

人事評価システムをはじめとしたシステムは、基準から感情を排除しなるべく定量的に・平等に評価できるようにしています。そのため熱意や想いが評価されることは多くありません。

事例は採用システムでの想いが紹介されていますが、評価の際も同様のことが言えます。評価を平等にするのは一向にかまいませんが、その後の対応を画一化するのはまた別の話です。

タイプの違う人に同じ対応をしたからといってそれが平等とは限りません。何をもって平等なのか、何をすれば運用がスムーズにできるのかは現場と相談しながら調整していく他ありません。

「手間も時間もかかるけど「想い」を伝えるって本当に重要?」
https://www.pr-table.com/juice-up/stories/3906

システムと運用の両立

人事評価のシステムと運用について解説しました。

人事以外の部署にも共通することですがルールにとらわれすぎるのはよくありませんし、無視しすぎるのもよくありません。法律で判断しきれない内容は個別対応されるのと同じように、それぞれの人を見て決断すべき内容もあります。

システムを導入して満足するのではなく、運用できているのかまで確認しましょう。場合によってはシステムを調整したり、運用方法を見直したりする必要があるでしょう。

あなたの企業でもシステム導入と運用のバランスがとれているか今一度確認してみてはいかがでしょうか。改善できる点の一つや二つが見つかるはずです。

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【令和版】評価制度の作り方
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