人事評価が失敗に終わる原因は「複雑化」!専門家への依頼も要注意

人事評価を導入したにもかかわらず、失敗に終わるケースも多く見受けられます。

失敗する要因の1つとして、制度の「複雑化」があげられます。

人事評価制度にはさまざまな期待が込められるため、意図せず複雑になりがちです。また、専門家に依頼した場合にも、複雑になることがあります。

そこで当記事では、人事評価が複雑になる理由をはじめ、複雑化の解決方法も解説します。

人事評価の失敗を防ぎたい担当者様は、ぜひ参考にしてください。

人事評価の「複雑化」とは?

人事評価の複雑化とは、評価項目などが入り組んでおり、制度の運用がむずかしい状態を指します。

複雑化した人事評価制度は「正しく評価できない」可能性も高く、評価担当者の労力を多大に費やす傾向にあります。

複雑化した人事制度のなかには、トレンドを取り入れたり、部署ごとに緻密な設計がなされているケースもあるでしょう。しかし制度自体は整っていても、従業員が「複雑な制度だ」と感じれば、まぎれもなく複雑な制度だといえます。

人事評価制度が複雑化する理由

なぜ人事評価制度は複雑化するのでしょうか?

理由は以下の4点です。

依頼した専門家の設計ミス

1つ目は、依頼した専門家の設計ミスです。

専門家とはいえ、設計ミスを起こすこともあります。

なぜなら、「人事評価のノウハウを保持する」点と「企業にあう制度をつくれる」点は別物だからです。

たとえば、自社は30人ほどの中小企業にもかかわらず、大企業と同等の内容で設計されたとします。そのまま制度を運用すると、項目が適合しないため、制度が複雑化する可能性も高いでしょう。

多くの情報が詰め込まれている

2つ目は、多くの情報が詰め込まれているからです。

人事評価制度が複雑化している企業では、多くの情報が詰め込まれるケースも見受けられます。

~多くの情報が詰め込まれている例~
・中小企業で扱えないレベルの高度な評価内容
・膨大な昇給に関する処遇制度

また専門家に依頼した場合には、読みこなせないような「分厚いマニュアル」が用意されていることもあるでしょう。

人事評価は必要な情報を絞り、シンプルに作成するほうが、適切な評価を実施できます。なぜなら、まずは人事制度の理解から始める必要があるからです。

そのためには、シンプルな内容でないと現場の理解を得られません。

運用方法が整備されていない

3つ目は、運用方法が整備されていないことです。

運用方法が整備されていないと、人事評価制度が複雑化する傾向にあります。

人事評価制度自体はしっかりと作成できていても、「評価担当者の選出方法」や「フィードバック方法」といった運用面が配慮されていないと、現場は混乱しがちです。

現場の混乱は、制度の複雑化に直結します。

システム化されていない

4つ目は、システム化されていないことです。

Excelなどで独自に人事評価シートや結果を管理していると、複雑化する傾向にあります。なぜなら、人事評価シート、結果、課題、分析内容などを、それぞれのファイルから引っ張り出す作業が発生するからです。

またシステム化されていないと、関係者と情報を連携する際にも、最新情報の同時共有がむずかしいため、時間もかかる傾向にあります。

時間がかかることも、制度の複雑化に影響します。

人事評価制度が複雑化するとどうなる?

人事評価制度が複雑化するとどうなるのでしょうか?

主な内容は以下のとおりです。

正しい評価結果を導けない

1つ目は、正しい評価結果を導けないことです。

そもそも人事評価制度をつくる際には、何かしらの目的を踏まえたうえで、その目的を実現できるよう設計されます。

(例:給与への連動、従業員のモチベーションアップ)

つまり、目的を達成できてこそ「制度を適切に運用できている」といえます。適切な運用は、正しい評価結果があってこそ成立します。

人事評価制度が複雑化すると、制度内容が理解されにくいため、制度が適切に機能しなくなりがちです。適切に機能しなければ、正しい評価結果を導けません。

評価制度が形骸化する

2つ目は、評価制度が形骸化することです。

人事評価制度が複雑化すると、評価者も評価対象者も「人事評価は面倒だ」と感じるようになります。面倒だと感じると、適当に目標をたてるケースや、適当に評価するケースも増えるでしょう。

すると、評価制度自体が形骸化してしまいます。

形骸化すると、「ムダな評価をやらされている」という感覚になり、さらなる形骸化につながります。

生産性低下や離職につながる

3つ目は、生産性低下や離職につながることです。

人事評価制度が複雑化すると、先述のとおり「正しい評価を導けない」や「形骸化」が懸念されます。

正しい評価ができない評価制度は、従業員の不満につながり、モチベーションやエンゲージメントを下げがちです。モチベーションやエンゲージメントの低下は、生産性の低下にもつながります。

また形骸化した人事評価制度を続けると、組織としての将来に不安を感じる従業員も出てくるでしょう。組織の将来に不安を感じれば、最悪の場合には離職につながります。

人事評価の複雑化を防ぐための注意点

人事評価の複雑化を防ぐために、どういった注意点があるのでしょうか?

ここでは、3つの注意点を紹介します。

自社の目的にあった人事評価制度をつくる

1つ目は、自社の目的(ビジョンや目標など)にあった人事評価制度をつくることです。

人事評価制度の複雑化は、自社の目的にあわない制度をつくることにも原因があります。 

とくに「人事評価制度の導入」が目的にすり替わっていると、制度の主旨がズレるため、内容も複雑になりがちです。

自社の目的にあった制度をつくるには、ビジョンや目標などを達成できる内容にしましょう。具体的にいうと、KPI(=過程)やKGI(=結果)を数値化し、評価項目に設定するなどがあげられます。

また、経営者が入れたい項目を加える点も欠かせません。経営者が項目を加えると、企業のポリシーを含められるため、従業員との認識相違を防げます。

たとえば【果敢な挑戦】という項目を加えたとしましょう。すると、全従業員に対し「挑戦する姿勢を求める」とアピールできます。

システムを導入し、情報共有をする

2つ目はシステムを導入し、情報共有をすることです。

人事評価制度の複雑化を防ぐには、システムを導入し情報共有する姿勢が欠かせません。

なぜなら、データを同時に共有することで、伝達不足や情報の欠如が防げるからです。

同じタイミングで関係者に素早く情報共有することで、担当者の労力も減らせるため、複雑化を防ぐことにつながります。

昨今ではリモートワークや、多様な働き方(時短、フレックスなど)も加速しており、システム化はますます必要になるでしょう。

運用面まで考慮する

3つ目は、運用面まで考慮することです。

人事評価制度を整えるだけでなく、その制度をどう運用するかまで考慮すると、複雑化を防止できます。

なぜなら、運用面まで考慮すれば現場の混乱を減らせるため、スムーズ&シンプルに効率的な評価ができるからです。

運用面の考慮では、評価手順や目的の設定方法はもちろん、フィードバックのやり方まで意識できるとよいでしょう。

まとめ

人事評価制度を成功させるには、要点を踏まえシンプルに作成することが大切です。

とくに初めて評価制度をつくる場合には、複雑化しがちです。理由は「色々なことを評価したい」「納得のいく結果を導きたい」という思いがあるからです。

細かな制度は項目が多くなりすぎてしまい、結果として複雑になってしまいます。

また人事評価制度を成功させるには、システムを上手に活用し、運用面まで意識する点も欠かせません。

人事評価構築パッケージは、さまざまな業種・さまざまな規模の企業から支持されている人事評価システムのパッケージです。

各企業にあわせたサポートを実施しているため、ベストな内容の評価システムを運用できます。運用面に対するサポートも可能なため、トータル的に人事評価の複雑化を防げます。

自社にとってベスト&シンプルな人事評価を実施したい場合には、ぜひ人事評価構築パッケージをご活用ください。

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【令和版】評価制度の作り方
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