人事評価エラー7選。その対策方法を徹底解説!!

人事評価エラーとは、評価者の固定観念や考え方などが影響し、正しい評価ができないことです。

評価は人が実施するため、どうしても誤差が生じるとはいえ、人事評価エラーを放置すると従業員の不満にもつながります。そのため、人事評価エラーには対策が必須です。

当記事では人事評価エラーに対する対策方法をはじめ、具体的なエラー内容についても解説します。

人事評価エラーへの理解を深め、正しく対処したい場合には、ぜひ参考にしてください。

人事評価エラーとは?

人事評価エラーとは、評価者の先入観などによって、公平な評価ができない現象のことです。

意識的なケースもあるものの、たいていの評価者は評価エラーに気づいていません。無意識だからこそ、原因や対策方法をしっかり考えなければ、従業員からの不満を増幅させてしまうでしょう。

また適切な対策方法を講じれば、状況は改善する傾向にあります。

人事評価エラーによる悪影響について

人事評価エラーが続くと、さまざまな悪影響があります。

なぜなら、人事評価エラーは正しい評価結果を導けず、従業員に対し不信感やストレスを与えてしまうからです。

具体的には、以下のような悪影響があります。

・モチベーションが低下する
・離職への引き金になる
・生産効率が低下する

モチベーションや生産効率が低下すると、企業が提供するサービスや製品の質自体も低下しがちです。さらに離職の引き金になり、従業員が定着しなくなることも、サービスや製品の質を保てない要因となります。

サービスや製品の質が低下すると、顧客からの不満につながり、企業イメージもダウンしかねません。

陥りがちな「7つの人事評価エラー」とは?

人事評価エラーは基本的に「7つの人事評価エラー」のいずれかに該当します。具体的なエラー内容を知ることで、エラーの回避にもつながります。

1、ハロー効果

ハロー効果とは、評価対象者の目立つ特徴に対し、他の評価項目も影響をうけてしまうことです。ハローは英語で「後光」を意味します。後光は強い光でまぶしいため、目の前にあるものが見えなくなりがちです。

~ハロー効果(例)~
実際にはヒューマンスキルが低いものの、高学歴のAさんに対し「学歴が高いから、ヒューマンスキルも高いに決まっている」と思い込む

2、中心化傾向

中心化傾向とは、従業員の「スキル」や「ポテンシャル」の状況にかかわらず、評価結果が中間値に集まることです。

たとえば、5段階評価では「3」の結果が多く、ABC評価では「B」に結果が集まるなどが該当します。

中心化傾向が発生する背景には、評価者の「自信のなさ」や、周囲への「過度な配慮」があげられます。また評価を適当に実施する場合にも、「よくわからないから、とりあえずB評価をつけておけばよいだろう」と中心化傾向で実施しがちです。

3、寛大化傾向

寛大化傾向とは、評価が全体的に寛大になることを指します。つまり、甘めの評価内容がつけられてしまいます。

「評価した相手から反感を買いたくない」や「部下に嫌われたくない」などと思うと、実績より甘い結果をつけてしまいがちです。また、部下についてよく理解していない場合にも、「とりあえず甘めにつけておけばよいだろう」と寛大化傾向を実施することがあります。

4、逆算化傾向

逆算化傾向とは、評価の総合結果を決めたうえで、辻褄があうように逆算し各評価を決定することです。

たとえば、昇給額を先に決め、評価内容があうように帳尻をあわせます。

また人事評価システムがうまく機能せず、煩雑な状態になっている場合にも「面倒くさいから、逆算してしまおう」という思いが発生しがちです。

5、期末効果

期末効果とは、期末の出来事に「評価全体」が左右されることを指します。

~期末効果(例)~
同じミスが発生した場合に、期首で発生するとそこまで評価に影響が出ないものの、期末に発生すると悪い評価がつけられてしまう

期末効果が発生すると、期末だけ頑張る社員が出てくる可能性もあります。

6、論理誤差

論理誤差とは、評価者の憶測で評価をくだすことです。

たとえば、高学歴の従業員に対しては「真面目でしっかり仕事にとりくむ」と思い込み、高校中退の従業員には「すぐに仕事を投げ出す」と決めつけるなどが該当します。

論理誤差では、事実確認をせずに評価をするため、悪い評価をつけられた人の意欲を削いでしまいます。

7、対比誤差

対比誤差とは、評価者である「自分自身の能力」を基準とし、評価対象者の能力と比較しながら評価することです。

~対比誤差(例)~
評価者の営業スキルが高ければ、評価対象者が営業職の場合には厳しい評価をつける。一方評価対象者が事務作業を不得意とする場合には、事務職の評価を実施する際に、甘い評価をつけてしまう。

人事評価エラーの対策方法

人事評価エラーを減らすには、「エラー要因の排除」と「エラーを起こさない仕組みづくり」が重要です。2点を踏まえたうえで、以下の対策方法をとるとよいでしょう。

評価基準の明確化

1つ目は、評価基準の明確化です。

評価基準が明確だと、「何にもとづき評価するか?」がはっきりするため、誰が評価しても一定の質を維持できます。一方評価基準が曖昧な場合には、評価者の主観が反映しやすく、評価エラーも発生しがちです。

評価項目の明確化には、評価システムを構築したうえで、関係者全員が共有できる仕組みづくりも欠かせません。

評価に関する研修の実施

2つ目は、評価に関する研修の実施です。

人事評価エラーをなくし、公平な評価を実施するには、評価者が以下を知る必要があります。

・評価の概要
・実施する目的
・正しい評価のつけかた

上記を周知させるには、評価担当者を対象とした「評価に関する研修」を実施すると効果的です。正しい評価手順を理解できると同時に、評価スキルの向上も期待できます。

定期的なミーティングの実施

3つ目は、定期的なミーティングの実施です。

ここでいうミーティングは、以下の2種類です。

1、評価者同士のミーティング

評価者同士のミーティングでは、評価を実施する前に「評価の進め方」に対する認識を統一させます。

また、従業員に評価結果を伝える前に「内容に問題がないか?」を確認する、二重チェックのような機会を設けることもオススメです。

2、上司と部下で実施するミーティング

上司と部下で実施するミーティングでは、評価結果を伝えると同時に、評価の目的や方法を共有します。

また評価結果について、部下が「不満に思っていないか?」なども探りましょう。不満に思っている場合には理由を聞き、今後の改善に役立てます。

複数人で評価する

4つ目は、複数人で評価することです。

なぜなら、1人で評価を実施するより、複数人で実施するほうが「評価の透明性」は増すからです。

たとえば、今回はA上司が評価し、次はB上司が評価するなどと評価者を変えるのもよいでしょう。また360度評価のように、関係者複数人で評価する仕組みをつくることもオススメです。

まとめ

人事評価エラーを避けるには、自社の評価状況を確認し、どういったエラー傾向があるかを知ることが大切です。同時に、エラー回避ができるような評価基準をしっかりとつくります。

自社の評価状況を確認するには、評価状況の可視化が欠かせません。評価構築パッケージでは、評価状況の可視化はもちろん、エラーを回避できる評価システムも構築できます。

また専任の担当者が「企業様が評価制度の運用」に専念できるよう、評価制度の設計も実施するため、評価体制に不安な企業様も安心して利用できます。

人事評価エラーを減らし、適切な評価を実施したい場合には、評価構築パッケージを検討してみてはいかがでしょうか。

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【令和版】評価制度の作り方
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この資料で分かること

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