ノーレイティングによる人事評価と1on1を併用するメリットとは?

ノーレイティングを導入する場合には、1on1の併用もオススメします。

なぜなら、ランクをつけない「ノーレイティング」による人事評価と「1on1」は相性が良く、併用すると多くのメリットがあるからです。

当記事では、昨今において注目が集まる「ノーレイティング」と「1on1」に焦点をあて、併用するメリットを詳しく説明します。ノーレイティングで適切な人事評価を実施したい人や、1on1の有効活用を考える人は、ぜひ参考にしてください。

ノーレイティングと1on1の親和性とは?

ノーレイティングはアメリカで発祥した評価手法であり、最大の特徴はA・B・Cなどと「ランクづけ」をしないで評価する点です。かわりに、定期的な面談とフィードバックをおこない、リアルタイムの評価を繰り返します。

現在の頑張りが評価されるため、「モチベーション」や「エンゲージメント」の向上に直結することも特徴です。

一方「1on1」は、上司と部下で実施する個人面談です。基本的に月1~週1ペースでの短いサイクルで、マンツーマンでの面談を実施します。

ノーレイティングと1on1は相互の関係があるため、一緒に使うことで、相乗効果を生みやすい点が特徴です。(詳しくはのちほど解説します。)

ノーレイティングの運用で注意すべきこととは?

まずは、ノーレイティングの運用で注意すべきことを「3つ」紹介します。

面談・フィードバックを頻繁におこなう

ノーレイティングの運用で注意すべき1点目は、面談・フィードバックを頻繁におこなうことです。

ノーレイティングはランクをつけないかわりに、「目標設定→評価→フィードバック」を繰り返します。目標への進捗などを上司・部下ですりあわせるため、日常的な面談・フィードバックが欠かせません。

また、企業の置かれている立場や従業員の成長などによって、状況は常にかわります。そのため、面談・フィードバックを「頻繁」におこなうことも意識します。

さらに、面談・フィードバックを実施する際には、1つひとつの質を意識する点も忘れてはいけません。なぜなら、適切な判断や伝え方をすることで、ノーレイティングでの評価が正しく実行できるからです。

そのため、上司がマネジメントをしっかりできるよう、研修・教育の機会を設ける意識も重要です。

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「目標に対する進捗状況」を可視化する

ノーレイティングの運用で注意すべき2点目は、「目標に対する進捗状況」を可視化することです。

ランクづけをしないノーレイティングでは、ランクのかわりに「目標設定→評価→フィードバック」を実施します。また「評価」は、目標に対する進捗の差異を判断したうえで、実行されます。そのため「目標に対する進捗状況」の確認が欠かせません。

さらに「目標に対する進捗状況」は目に見えにくいため、きちんと可視化することで、状況がつかみやすくなります。

可視化したデータを残すと、変化の推移も把握できるため、人事配置や経営戦略をおこなう際にも役立ちます。

そのため、専用のシステムなどを活用し「目標に関するデータ」を蓄積すると便利です。

評価ポイントを使用すると、目標設定はもちろん、個人の成果を見える化し、その場でフィードバックすることも可能です。

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目標の認識統一を欠かさない

ノーレイティングの運用で注意すべき3点目は、目標の認識統一を欠かさないことです。

ノーレイティングでは、各自の目標設定をしたうえで、「目標に対する進捗状況」と照らし合わせ評価をおこないます。また従業員の目標設定をする際には、「企業の目標」とリンクさせる必要があります。

つまり「企業の目標」に対する認識を誤ると、従業員の目標設定も誤ってしまうため、適切な目標設定ができません。

適切な目標設定ができないことは、ノーレイティングの評価が適切に機能しないことを意味します。そのため、全従業員に対して「企業の目標」を周知し、認識統一をはかる必要があります。

さらに、各従業員が掲げた「個人の目標」についても、従業員と上司での認識統一を忘れてはいけません。

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ノーレイティングで1on1を併用するメリットとは?

冒頭で述べたとおり、ノーレイティングを導入した際に、上司と部下がマンツーマンで行なう対話である「1on1」を併用すると、さまざまなメリットが生まれます。

以下に、ノーレイティングで1on1を併用するメリットについて、具体的な内容を紹介します。

自身の成長と課題を客観的に捉えられる

ノーレイティングで1on1を併用する1つ目のメリットは、自身の成長と課題を客観的に捉えられることです。

ノーレイティングでは、「目標設定→評価→フィードバック」を繰り返し、成長を目指します。

その際に、「目標設定」「評価」「フィードバック」の全項目において、1on1を併用することが可能です。

1on1を意識的に取り入れることで、上司と部下が各項目について、しっかりと意見を交わせます。すると、自身の成長を自覚できるとともに、新たな課題も客観的に捉えられます。

上司が部下の状況を把握できる

ノーレイティングで1on1を併用する2つ目のメリットは、上司が部下の状況を把握できることです。

前述のとおり、ノーレイティングにおける「目標設定」「評価」「フィードバック」の全項目で、1on1を併用できます。

1on1を実施すると、上司と部下が「マンツーマンで話す機会」が必然的に増えるため、部下の進捗状況をはじめ、抱えている問題などが分かります。

つまり、上司が部下の状況を把握しやすい状況が作られます。

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評価の納得感が高まる

ノーレイティングで1on1を併用する3つ目のメリットは、評価の納得感が高まることです。

従業員の「評価の納得感」を高めるには、以下3つの要素が必要になります。

1、明確な評価基準
評価基準が明確だと、評価者の「好き・嫌い」に左右されず、第三者からみても正当な評価だと分かります。
自社の「評価の定義」や「評価の項目」が不明瞭な場合には、明確な基準を設けるとよいでしょう。

→ノーレイティングの「目標設定」で1on1を取り入れることで、部下に対して明確な評価基準を伝えられます。

部下から疑問が生じた場合には、納得できるレベルまで説明をすることや、そもそも評価基準の定義を変更するといった対策も可能です。

2、透明性のある評価
透明性のある評価が実施されると、「なぜ自分の評価は良かったのか(もしくは悪かったのか)?」といった理由がハッキリと分かります。
評価が良かった場合には、評価されたポイントを意識し、今後も一層磨きをかけることが可能です。一方評価が悪かった場合には、具体的な改善点が分かるため、意欲的に取り組めます。

→ノーレイティングの「フィードバック」で1on1を取り入れることで、部下の反応を見ながら評価結果を説明できます。

相手が疑問に思う場合には、理解できるレベルまでかみ砕いて説明をすると良いでしょう。

3、日常的なコミュニケーションの有無
日頃から、上司と部下が業務以外の話(雑談やキャリアの話など)もできる関係であると、お互いの壁がなくなり、本音で話ができる傾向にあります。
また、日常的なコミュニケーションがあることで、部下は「自分を気にかけてくれている(大事にしてくれる)」と思うため、上司への信頼度も上がるでしょう。
コミュニケーションはビジネスに関係なく、人と人との関係性を良くするものであるため、日常的なコミュニケーションは欠かせません。

→日常的なコミュニケーションを取ろうと思っても、お互いのスケジュールやタイミングが合わず、すれ違うケースもあるでしょう。

一方「1on1」は、あらかじめ面談の日程を設定するため、確実にコミュニケーションが取れます。

まとめ

ノーレイティングによる人事評価に1on1を併用することで、上司と部下が一対一で対話する場面が増えるため、以下のメリットが期待できます。

・自身の成長と課題を客観的に捉えられる

・上司が部下の状況を把握できる

・評価の納得感が高まる

そのため、ノーレイティングによる人事評価をスムーズに実施したい場合には、1on1も意識することが大切です。

評価ポイントでは、リアルタイム評価でプロセス管理ができるため、担当者の評価に対する負担を大幅に減らせます。

また1on1機能もついていることから、ノーレイティングによる人事評価を円滑にサポートします。

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