コンピテンシーを活用した経営戦略と人事制度

人事評価と経営戦略イメージ

組織行動学の概念であるコンピテンシー(行動特性)を、人的資源管理に導入するケースが増えてきました。
しかし、コンピテンシーを活用するためには、課題を学ぶとともにモデル作成に注意を払う必要があります。

今回は、コンピテンシーを経営戦略と人事制度に活用するためにおさえておきたいポイントをご紹介します。

組織行動学の概念であるコンピテンシー(行動特性)を、人的資源管理に導入するケースが増えてきました。
しかし、コンピテンシーを活用するためには、課題を学ぶとともにモデル作成に注意を払う必要があります。

今回は、コンピテンシーを経営戦略と人事制度に活用するためにおさえておきたいポイントをご紹介します。

コンピテンシー(行動特性)とは

コンピテンシー(competency)は、組織行動学の概念です。
1970年代に、アメリカのハーバード大学の教授であるマクレランド氏が研究をスタートしたことで知られています。
1990年代にアメリカの人的資源管理に導入されるようになったもので、人事評価制度に導入されるようになってから歴史が浅いといえます。
そのため、「効果や有効性に関する実証的な検証が不十分」する方もいらっしゃいます。

コンピテンシーは、高い業績をあげている従業員に共通してみられる行動に表れている能力のことで、他者から観察することができる顕在的な能力です。
つまり、「成果につながる行動特性」のことを指します。

コンピテンシーの課題

コンピテンシーには3つの課題があります。

1つ目は、コンピテンシーは過去や現在を重視しがちです。
人事制度は、本来ならば経営戦略を達成するための手段や機能です。
しかしコンピテンシーには、未来志向の内容が必要なのに踏まえられていないケースが多くあります。

2つ目は、コンピテンシーの寿命の短さです。
コンピテンシーはヒアリングで抽出され、過去を志向する色彩が強いので、ICTの進化といった環境変化によって、「陳腐化しやすい」という傾向にあります。
寿命の短さゆえに、人事制度としての妥当性・信頼性を損なわせてしまうのです。

3つ目は、コンピテンシーの適用範囲の狭さです。
コンピテンシーを発揮することができるのは、自主裁量が認められている、マネジメント層やホワイトカラーなどの一部に限定されることが指摘されています。
コンピテンシーをもとにして、生産部門を含めた全職員を対象とする人事制度を構築するには困難が伴います。

コンピテンシーの有効性

先ほどご紹介したように、コンピテンシーは複数の課題を抱えていますが、人事制度として考えた時に妥当性や信頼性に欠ける部分があります。
けれども、これらの課題を理解したうえで、採用や育成に活用することで、効果が期待できるのです。

コンピテンシーは、単に結果だけではなく過程に焦点を当てるため、成果につながる特性や行動を評価することが可能です。
そのため、より適切な人材評価を行うことができるようになります。
更に、組織全体のパフォーマンスを向上させる効果も期待できるのです。

コンピテンシーの導入のために

コンピテンシーを導入する際には、モデルとなるハイパフォーマーを選定し、実在型モデルを制作します。
並行して、自社の求める人材から形成した理想型モデルの制作を行い、2つのモデルを併せた「ハイブリット型モデル」の制作を行います。

ハイパフォーマーの選定をする

ハイパフォーマーには、職場内で優れた業績をあげている人物や高い成果をあげている人物をモデルとして選定します。

その人材の優れた行動特性に着目するだけではなく、その行動特性の背景にある要因を知り、組織としてコンピテンシーのモデルを形成することが重要なポイントです。

コンピテンシーのモデル形成の仕方

成果や結果、技術(テクニカルスキル)は目に見えやすいものです。
しかし、コンピテンシーのモデルを形成する場合、動機・メンタルモデルや性格といった、目に見えづらい行動特性をモデルとして形成する必要があります。
成果や結果を出した行動だけではなく、背景にある特性を把握する必要があるのです。

また、コンピテンシーモデルは、組織のベクトルを踏まえたものでなくてはなりません。
将来のビジョンや経営戦略を踏まえ、求められる人物像を定義づけていきましょう。

こうして作成した「理想型モデル」と、ハイパフォーマーモデルの「実在型モデル」を組み合わせ、「ハイブリッド型モデル」を作成することで、実務的なモデルを制作することができます。

ハイパフォーマーへのヒアリングの仕方

ハイパフォーマーにヒアリングをする際には、「問いかけ」が重要になります。

「コンピテンシーディクショナリー」では、効果性・達成行動・援助対人支援・知的領域・管理領域・インパクト/対人影響力の6領域・20項目に分類しています。
1990年代以降、コンピテンシーディクショナリーはコンサルタント会社によって独自に項目・定義の策定がされています。
多彩な項目があげられているので、実務に即した項目だてをしましょう。
ここで注意したいのが、コンピテンシーディクショナリーはあくまで1つの指標にすぎず、現場の実態に即した項目だてが重要だという点です。

ヒアリングは、必要に応じて複数回行うことも検討しましょう。
また、評価モデルの設計や項目作成に関しても、ハイパフォーマーに確認・関与してもらうことで、より実態に即したモデル形成をすることができます。

コンピテンシーを経営戦略に活用するために

独自のコンピテンシーモデルを作成し、人事制度に落とし込むことで、評価制度を透明化し適材適所に人材を配置することが可能になります。
従業員にとっては、キャリアプランに基づき、必要とされる能力や知識を知ることができるため、能力快活の目標を立てやすくなるのです。
コンピテンシーの導入は、単なる評価の透明化だけではなく、中長期的な人材育成計画や従業員のキャリアプラン構築にもメリットがあります。

コンピテンシーの浸透・理解を徹底する

コンピテンシーを活用する際には、従業員の浸透・理解が必要不可欠です。
導入のメリットや活用法の周知をはかりましょう。

コンピテンシーを継続的に更新する

また、コンピテンシーによって具体的な行動が変化することで、営業成績が向上するケースも珍しくありません。
しかし先ほど触れたように、コンピテンシーは過去・現在に基づくものです。
実務に即したものになるように、継続的に更新を行うことで、更なる業績向上につなげることができるようになります。

コンピテンシーの結果が得られる時期

コンピテンシーの結果は、1ヶ月や2ヶ月といった短期間で得られるケースは少ないです。
半年・1年、場合によっては数年単位で更新・改善を繰り返していくことで、徐々に成果があがっていきます。

そのため、コンピテンシーの運用にあたっては、中長期的な視野を持った運用計画が必要になるといえます。

おわりに

コンピテンシー経営戦略と人事制度に活用するためには、自社にあったコンピテンシーモデル形成と更新・改善が必要不可欠です。

また、優れた効果をあげるためは、制度を整備するだけではなく、運用にあたって従業員の理解を得られるよう周知をはかることも重要なポイントです。

自社にあった制度になるよう、更新・改善を繰り返しながら、中長期的な視野を持って運用していきましょう。

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