1on1ミーティングの本は何がおすすめ? 最初に読むべき2冊を紹介

「会社で1on1ミーティングを導入することになったけれども、何からはじめていいかわからない……」
「現在1on1ミーティングをやっているけれども、果たして自分のやり方は正しいのだろうか……」
「上手に1on1ミーティングができている気がしない……」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?

1on1ミーティングの方法について悩みがある方におすすめなのが、読書による学習です。 本を通じて学べば、セミナーや研修に参加したり、コンサルティングサービスを利用したりするよりはるかに安く、1on1ミーティングについて学習することができます。

ところで、1on1ミーティングに関しては、様々な会社が様々な本を出版しています。そのため、どの本を選べばいいかわからないという方も多いはず。

そこで今回は、1on1ミーティングに関するおすすめの本を紹介します! 特にこれから1on1ミーティングについて学習をはじめる方にぴったりな読みやすい本を選んでおりますので、是非参考にしてくださいね。

(当記事における肩書きや役職は本に記載された当時のものです。予めご了承ください)

1on1ミーティングを導入する人事の方が読むべき本は「1on1マネジメント」


【出典】1on1マネジメント | 松丘 啓司 |本 | 通販 | Amazon

この本「1on1マネジメント」は1on1を行うマネジャー向けに書かれた本ですが、1on1の価値や 基本理念について体系立てて整理されていますので、これから1on1ミーティングを導入する人事の方にとって、1on1の全体像をつかむために有効です。

「ピープルマネジメント」という発想

この本の序章ではピープルマネジメントという概念に触れています。ピープルマネジメントとは企業における多様な人材をマネジメントすることを意味しますが、この「ピープル」 と表記していること、つまり複数形になっていることがポイントであるとこの本では解説しています。

ピープルマネジメントの対極にある考えとしてタレントマネジメントという考え方を紹介しています。これは組織において特に際立った成果を出すハイパフォーマーを「タレント」と定義し、「いかにタレントを採用し育成するか」という視点で人材マネジメントを組み立てたものです。

この「タレントマネジメント」という考え方は、市場の変動が比較的少なく、「優秀な人材からの指示に対し下が従えばよい」というビジネス環境においては、とても有効な方法でした。

ですが昨今は市場の変動が激しく、誰も将来予測ができないようなVUCAの時代(※)であると言われています。このような状況下では、どんなに優秀なリーダーであっても、意思決定を間違えてしまう確率が高まります。刻一刻とビジネス環境が変化するため、リーダーが情報を仕入れ意思決定し、指示が伝わるまでに状況が変化してしまう可能性があるからです。

そのため、現場にいる一人一人のメンバーが自分で目標を設定し、自分の頭で考え行動し、仮説と検証を繰り返すような、自律的な組織運営の実現が必要とされています。つまり、ある一人の「タレント」を育てるのではなく、組織にいる全員、すなわち「ピープル」をマネジメントするという発想にシフトしてきたのです。

1on1ミーティングはこの「ピープルマネジメント」を実現する強力な方法です。そのことについて、この本「1on1マネジメント」を通じしっかり理解することができます。

※VUCA……Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)4つの言葉の頭文字をとった、将来予測が極めて難しい昨今のビジネス環境を表現する言葉

詳細情報

タイトル 1on1マネジメント
どこでも通用するマネジャーになるためのピープルマネジメント講座
著者とプロフィール 松丘 啓司(まつおか けいじ)
エム・アイ・アソシエイツ株式会社 代表取締役
1986年、東京大学法学部卒業。アクセンチュアに入社し、50件以上の企業変革プロジェクトに参画。同社のヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナー、エグゼクティブコミッティメンバーを歴任後、2005年にエム・アイ・アソシエイツ株式会社を設立。
同社では内発的変革をテーマに、パフォーマンスマネジメント、ダイバーシティ&インクルージョン、ピープルマネジメント、キャリア開発、経営意思決定などの領域における企業研修とコンサルティングサービスに従事。
主な著書に、『組織営業力』『論理思考は万能ではない』『アイデアが湧きだすコミュニケーション』『ストーリーで学ぶ営業の極意』『人事評価はもういらない―成果主義人事の限界』(以上ファーストプレス)、『提案営業の進め方』(日経文庫)などがある。
ページ数 180ページ
定価 1500円+税
出版社 ファーストプレス
発売日 2018年4月27日

理論ではなく実践について知りたいマネジャーの方は「ヤフーの1on1」


【出典】ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法 | 本間浩輔 | ビジネス・経済 | 本 | Amazon

この本「ヤフーの1on1」は、1on1ミーティングを実際に行う上司の方にぴったりな本だと言えるでしょう。

1on1ミーティングについて学ぶ上できっと多くの方が思うのが、「実際の1on1ミーティングを実施しているところを見てみたい」ということでしょう。

しかし1on1ミーティングは、時には部下のプライベートな悩みにも踏み込むことがあるため、とても秘匿性の高いものです。なかなか外部の人間が見学できるようなものでもありません。

しかしこの本では、1on1ミーティングの実践例を漫画にて紹介しています。文章で1on1ミーティングのポイントを列挙されるより、漫画を通じ実際の1on1ミーティングの様子についてわかりやすく学ぶことができます。

特に学ぶべきことが多い点としては、上司の方が陥りがちなコミュニケーションの失敗例についても紹介していることです。

例えば部下に十分に話をしてもらう前に部下の話をさえぎり持論を述べたり、積極的な傾聴の姿勢を示さず、パソコン作業をしながら話を聞いてしまったりなど、よくありがちなコミュニケーションの失敗例について学ぶことができます。

さらに、実際に1on1を運用する上で出てくるリアルな疑問についても、筆者がヤフーで実践してきた経験から、しっかりと解説・回答しています。

例えば「年上のベテラン部下から1on1は不要と言われてしまいました。どうしたらよいでしょうか?」といった質問に対しては、「無理強いをしても成果は上がらない」とした上で、そもそも上司と部下との信頼関係の構築が不十分である可能性について言及しています。

また、「1on1に時間を奪われて自分の仕事が終わりません」という質問に対しては、「上司の仕事は部下の活躍の舞台を整えること」と解説した上で、「上司にとってこれ以上重要な仕事はない」とバッサリ。 このように、時には厳しく、1on1ミーティングの実践について的確なヒントを得ることができます。

その他、中原淳氏(東京大学大学総合教育研究センター准教授)や守屋麻樹氏(プロフェッショナルコーチ)、松尾睦氏(北海道大学大学院経済学研究科教授)や由井俊哉氏(組織・人材開発コンサルタント)との対談もあり、1on1をめぐる様々な立場の第一人者の考えを吸収することができます。

実践を重視するマネジャーの方におすすめの一冊です。

詳細情報

タイトル ヤフーの1on1
部下を成長させるコミュニケーションの技法
著者とプロフィール 本間 浩輔(ほんま こうすけ)
ヤフー株式会社常務執行役員コーポレートグループ長
1968年神奈川県生まれ。早稲田大学卒業後、野村総合研究所に入社。コンサルタントを経て、後にヤフーに買収されることになるスポーツナビ(現ワイズ・スポーツ)の創業に参画。
2002年に同社がヤフー傘下入りした後は、主にヤフースポーツのプロデューサーを担当。2012年社長室ピープル・デベロップメント本部長を経て、2014年4月より現職。
著書に『会社の中はジレンマだらけ 現場マネジャー「決断」のトレーニング』(中原淳・東京大学大学院准教授との共著。光文社新書)がある。
ページ数 244ページ
定価 1800円+税
出版社 ダイヤモンド社
発売日 2017年3月25日

1on1の学習にゴールはない。学びの旅に出よう


1on1ミーティングの大きな目的は部下の成長にありますが、1on1ミーティングを導入する過程で、企業の人事担当者や上司の方も大きく成長します。

1on1ミーティングを導入する過程で、企業の人事担当者の方にとっては組織の人材育成がどうあるべきかが問われますし、上司も「上司の仕事とは何か」「部下の成長のために自身が変わるべき点は何か」が問われます。

人材マネジメントや経営学、心理学やリーダーシップ、コーチングやティーチングなど、1on1をめぐり学習すべき点は様々です。習にゴールはなく、継続して学び続ける必要があります。

今回紹介した1on1ミーティングに関する本2冊は、いわば学びの旅の入り口です。この本をきっかけに、果てしなくも魅力的な「学びの旅」にくりだして頂ければ幸いです。