1on1で部下が「話すことがない」と言う場合、上司はどうすればいいのか?

1onミーティングでは主に部下が話題を設定しますが、よくありがちなのが部下から「1on1ミーティングで話すことがない」と言ってくる場合です。こう言われると上司の方は困ってしまいますよね。

実はこの「話すことがない」と言う言葉は、1on1ミーティングにおいては黄信号。上司と部下とのコミュニケーションがうまくいっていない兆候を意味するのです。

では、部下から「1on1ミーティングで話すことがない」と言われた場合上司の方はどうすればいいのでしょうか?

なぜ「話すことがない」と言われるのか? 2つのケース


部下の語る「1on1ミーティングで話すことがない」という言葉には、次の3つの背景があると考えられます。

ケース① 上司と部下間での信頼関係に問題がある

たとえば上司が1on1ミーティングにおいて自分の話ばかりしていたり、しっかり聴いてくれていないと感じたりする場合や、そもそも部下が上司のことを信頼していない場合に、部課から「話すことがない」という言葉が出てきます。

つまりこの場合の「話すことがない」とは、「上司に対して何を話しても意味がないから話すことがない」という意味となります。

ケース② 業務で忙しいから1on1ミーティングを開催したくない

日常業務に追われるなど、部課が忙しく働いているような場合にも、「話すことがない」という言葉が部下から出てきます。このような場合では、1on1ミーティングをするよりも他の仕事に時間を当てたいと思っています。

つまりこの場合の「話すことがない」とは、「特に話すことがないのでミーティングを開催したくない・もしくは早く終わらせてほしい」 という意味です。

ケース③ 1on1をやる意味を部下が理解していない

特に忙しくない場合でも、なぜ1on1ミーティングを開催するのか、しっかりその意味を理解していない場合にも、部下から「話すことがない」という言葉が出てきます。

ケース④ 緊張している

特にシャイな部下が「話すことがない」という言葉を使う場合も考えられます。このような部下の方は、「自分ごときのことで上司を煩わしては申し訳ない」「上司に迷惑をかけてはいけない」と考えている場合が多いです。

このような場合には、「特に上司に相談したいことはなく大丈夫だから、心配しないでほしい」という意味合いで、「話すことはない」という言葉が現れることがあります。

ケース⑤ 部下が1on1ミーティングに不慣れ

特にこれまで上司と部下との間でフラットなコミュニケーションや対話が頻繁に行われていないような組織の場合、部下が1on1ミーティングに慣れておらず、「何を話していいかわからない」状態に陥ることもあります。

1on1で部下から「話すことがない」と言われた場合にとれる対策7つ


まずは信頼関係の構築と話しやすい雰囲づくりが重要です。その上で、1on1ミーティングに不慣れな部下であってもきちんとその時間を有効に使えるようマネジメントしていきましょう。

対策① 信頼関係をつくる

上司と部下との間に信頼関係がなければ、1on1ミーティングはうまくいきません。そのため、まずは部下から信頼されるような上司になることが重要です。

具体的には日ごろの言動に配慮したり、部下をよく観察し必要に応じてフォローしたり、挨拶や声かけを怠らず行うなど、毎日少しずつ信頼を積み重ねていくことをおすすめします。

対策② 聴く姿勢を見せる

1on1ミーティング中や、普段の業務において部下から相談を受ける際、パソコンのディスプレイを見たまま・キーボードを叩きながら聴いてはいませんか? このように何かをしながら話を聴かれると、話す気力も失せてしまうものです。

上司の方は特に忙しく働かれている方も多いため、ついつい「ながら作業」になってしまいがちですが、ぐっとこらえ作業を止め、部下に体を向け、相手の目をしっかり見ながら話を集中して聴くようにしてみてください。

このような聴く姿勢を取り続ければ、ある日部下とのコミュニケーションが劇的に改善していることに気づくことでしょう。

対策③ 1on1の意味や目的、価値を部下に伝える

特に1on1ミーティングを導入し始めた組織に多く見られますが、部下が1on1ミーティングの意味や目的、価値をしっかり理解していない可能性もあります。上司から1on1ミーティングをなぜやるのかについて、自分の言葉で部下に何度も伝えるようにしましょう。

また上司まかせにするのではなく、企業の人事担当者も積極的に働きかける必要があります。たとえば1on1ミーティングを行う意義について集合研修やe-learningなどを通じて浸透させるなど、全社的な対策を行うことをおすすめします。

対策④ 上司から自己開示する

1on1ミーティングにおいて重要なのは、部下の方が何でも相談できる安心安全な場づくりです。そのためには部下の自己開示が必要となります。

それでは、部下の方はどうしたら自己開示をしてくれるのでしょうか。それには、少なくとも調子自身の自己開示が前提となるでしょう。

ときには上司自身が悩みを打ち明けたり、正直な気持ちを述べたりするなど、率先して自己開示をするような働きかけも必要です。

対策⑤ 事前にアジェンダをつくってもらう

部下の方が1on1ミーティングに慣れていない場合、本来相談すべきことを取りこぼしてしまう可能性もあります。

その対策としては、事前に1はミーティングにおける相談事項のアジェンダをつくってもらい、共有してもらうとよいでしょう。

対策⑥ 議題のテンプレートを用意する

上司の方も部下の方も、どちらにも使って頂けるように、1on1ミーティングで話すべき議題のテンプレートを人事が用意しておくこともおすすめです。

1on1ミーティングでよく扱われるテーマやアジェンダについては別記事で解説していますので、そちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

【関連】
1on1ミーティングは、どんなテーマで話せばよい? 具体例9つを紹介 | ヒョーカラボ
1on1のアジェンダ11例 – 議題で悩まない!会話が続かない原因と解決策も | ヒョーカラボ

対策⑦ 雑談だけでもよしとする

部下が緊張してしまっている場合や1on1ミーティングの導入を初めたばかりの場合には、いきなり職場の人間関係やキャリアなど、突っ込んだ話題については話しづらいものです。

このような場合は、いっそ1on1ミーティングの何回かは「慣らす」意味も含め、「雑談だけで終わっても良い」と割り切ってみてはいかがでしょうか。

1on1ミーティングの大きな価値の一つに、「困ったときに上司に気軽に相談できる体制がつくれること」があります。部下は基本的に、忙しく働く上司の手を煩わせたくないと思うもの。本来相談すべき困りごとがあっても、そのために上司の時間を調整することに気後れしてしまうのです。

1on1ミーティングが頻繁に開催されている組織であれば、そのような困りごとを、わざわざ上司の時間を調整せずに相談できます。このように、定期的に1on1ミーティングが開催されていること自体に価値があるのです。

その価値と比べれば、特に不慣れな1on1ミーティングの導入初期段階において雑談が多くなってしまっても良いはずです。

部下からの「話すことがない」という発言は1on1の黄信号


今回の記事では、1on1ミーティングにおいて部下から「話すことがない」と言われた場合、どうすればいいのかについて解説しました。

「話すことがない」という発言は、上司と部下とのコミュニケーションがうまくいってない兆候です。言葉を額面通りに受け取り、何も対策を打たない状態はよくありません。

まずは部下との信頼関係の再構築に励み、1on1ミーティングで何でも話しやすい雰囲気をつくってください。また、1on1ミーティングの充実を上司の方だけに任せるのではなく、企業の人事や経営者側からもサポートすることも重要です。