上司の1on1ミーティングスキルが低い……部下ができることとは?

「1on1ミーティングでちゃんと相談したいのに調子が話をしっかり聴いてくれない……」
「上司が1on1ミーティングで役に立たないアドバイスばかりしてくる……」
企業に1on1ミーティングは導入されても、上司のスキルが低ければ、部下にとって1on1の時間は苦痛でしかありません。

そのため基本的に企業においては上司を対象にした1on1ミーティングに関するスキルアップ研修を開くことも多いですが、思うようにスキルアップがなされないことも多いのではないでしょうか。

今回は発想を変えて、上司の1on1ミーティングスキルが低い場合に、部下ができることについて解説したいと思います。

考え方を根本から見直す


上司に1on1ミーティングの主導権を委ねるのではなく、「部下自身が上司をコントロールする」という風に、考え方を変えてみることをおすすめします。

そもそも1on1ミーティングは部下が主体

前提として、1on1ミーティングにおける主導権は部下側にあります。そのため本来、1on1ミーティングの時間を有意義に使う上で、最も大きな役割を担うのは上司ではなく部下なのです。

「上司をマネジメントする」という視点を持つ

1on1ミーティングのクオリティを上司に任せられない場合や、上司のマネジメントスキルが信頼できないような場合、いっそ「部下が上司をマネジメントする」という視点を持ってみてはいかがでしょうか。

上司に自分のことを認めてもらい評価してもらえるようになれば、仕事もしやすくなりますし、キャリアアップの道も開けるかもしれません。上司は絶対的な存在ではなく、自分の仕事を捗らせるためのリソースのひとつだと考えるのです。

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上司をマネジメントして1on1を有意義にする5つの方法


以上を踏まえて、部下側から働きかけて1on1ミーティングの時間を有意義にする具体的な方法について解説します。

方法① まずは信頼と感謝の姿勢を見せる

特に上司自身も現場を抱えているプレイングマネジャーである場合、自分の時間が取られる1on1ミーティングに対し消極的になってしまうケースも散見されます。このような場合、上司の1on1ミーティングへのモチベーションを喚起することが必要です。

上司の1on1ミーティングへのモチベーションを高めるためには、部下自身のことを気に入ってもらい、信頼してもらう必要があります。そしてその信頼を勝ち取るためには、部下自身が上司への信頼と感謝の姿勢を見せることが有効です。

人間誰しも、自身のことを信頼してくれ、尊敬してくれる人に対しては優しくなるものです。 嘘をついたりごまをすったりする必要はありませんが、普段から積極的に感謝の気持ちを上司の方に伝えていくと良いでしょう。

方法② 上司の仕事を奪う

上司の方にとって、自身の抱える仕事を任せられる部下の存在は有り難いものです。「上司の役に立ちたい」と言ってくれる部下をむげにする上司はあまり考えられません。

部下の方は日頃から上司の業務を観察し、自分でもできることを探してみてください。そして1on1ミーティングの時間で「自分でもこういうことができると思うがどうか」と、提案をしてみてはいかがでしょうか。

1on1ミーティングを「上司の仕事を奪う時間」と考えれば、たちまちのうちに有意義な時間になるはずです。

方法③ 1on1には毎回アジェンダを用意する

上司の方と信頼関係を築き、1on1ミーティングを通じて上司の仕事を奪っていくと、次第に上司の方も部下の方との1on1ミーティング自体へのモチベーションが高まっていくはずです。

よりしっかり主導権を握るためには、1on1ミーティングにおいて話したいことをアジェンダとして事前にしっかり用意しておくことが有効です。

上司は1on1ミーティングや、とりわけその中で行われるコーチング的なコミュニケーションには慣れていなくても、限られた時間内で意思決定を行う通常のビジネスミーティングには慣れているはずです。

部下側から1on1ミーティングにおいて話したいこと、意思決定したいことを整理し、事前に送るなどして意識を向けさせ、積極的にアドバイスをもらいにいくことで、1on1ミーティングがより有意義になる可能性があります。

方法④「アドバイスではなく聴くだけ」をお願いする

業務を進める中で、どう意思決定していいかわからないようなモヤモヤした悩みを抱えることもあるでしょう。そのような悩みの解消に、本来は1on1ミーティングを通じたコーチング的なコミュニケーションが有効ですが、スキルの低い上司ではちゃんと話を聞いてくれず、思うような成果が得られないような場合もあります。

そんな時は、上司の方に「今回はアドバイスではなく聴くだけでお願いします」とお願いしてみるのもひとつの手段です。関係性にもよりますが、積極的に傾聴してくれる上司を育てるという観点で1on1ミーティングに臨んでみるのも有意義なはずですよ。

方法⑤ こっそり人事部に相談する

何をやってもダメだった場合は、こっそり人事部に相談するのもひとつの方法です。

人事部は現場の声を気にしているものです。そして上司の方の中には、1on1ミーティングに向かない人もいることも重々承知なはず。一人で抱え込まないで相談することで、部下の方の気も楽になるはずですよ。

ただし相談したことを上司の方にはバレないようにする配慮は求められるでしょう。

部下は1on1の時間を通じ上司を積極的に使おう


この記事では上司の1on1ミーティングスキルが低い場合に部下側から何ができるかについて解説しました。

上司を業務遂行のためのリソースとして積極的に利用するという観点を持てれば、これまで苦痛だった1on1ミーティングがきっと部下の方にとって貴重な時間となるはずですよ。

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この資料で分かること

  • 1on1の目的と活用方法
  • 1on1導入での失敗例
  • 1on1で取り扱うべき話題